解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午後:第69問

ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)について誤っているのはどれか。2つ選べ。

a: 血栓症を起こす。

b: アルガトロバンを使用する。

c: 血小板第4因子が関与する。

d: 血小板輸血を行う。

e: ヘパリンコーティング回路を使用する。

ヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia:HIT)とは、ヘパリン投与によって血小板第4因子(PF4)とヘパリンの複合体に対する抗体(HIT抗体)が産生され、血小板減少とともに血栓塞栓症を引き起こす疾患である。ヘパリン治療を受け、血小板数が前値より50%以上低下した場合に疑う。典型例では出血症状はあまり見られない。動脈・静脈の両者の血栓が見られるが、静脈血栓症の方が多い。脳静脈血栓症や内臓静脈血栓症(門脈血栓症など)の稀な部位の血栓も見られる。HITの治療は、まず被疑薬となっているヘパリン類の投与を中止するとともに、抗トロンビン薬(アルガトロバン)による治療を開始することである。その後、血小板数が少なくとも10~15万/μL以上まで回復するまで待つ。

a:HIT の約 26~50%に血栓塞栓症を伴うため、血栓塞栓症状が見られる。血栓塞栓に由来する臨床症状、例えば突然発症する呼吸不全、
意識障害、下肢の腫脹・冷感・疼痛・虚血、胸痛など血栓塞栓部位によって生じる症状に注意する。

b:HITの治療は、まず被疑薬となっているヘパリン類の投与を中止するとともに、抗トロンビン薬(アルガトロバン)による治療を開始することである。

c:ヘパリン投与によって血小板第4因子(PF4)とヘパリンの複合体に対する抗体(HIT抗体)が産生され、血小板減少とともに血栓塞栓症を引き起こす疾患である。

d:正解。血小板輸血によって、血小板活性化さらに血栓塞栓症を促進する可能性があるため、血小板輸血は禁忌である。

e:正解。HITにおいて、ヘパリンの使用は禁忌である。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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